甲賀郡絵図/内務部第6課地理掛書類編冊(近江国各郡町村絵図)

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解説 甲賀郡は近江国12郡のひとつで、現在の湖南市と甲賀市に該当します。(ちなみに残りの11郡の内訳は、滋賀郡、栗太郡、野洲郡、蒲生郡、神崎郡、愛知郡、犬上郡、坂田郡、浅井郡、伊香郡、高島郡です)
 中心部に野洲川が流れ、四方は、東に鈴鹿山地、西には山城国、南は伊賀国で、北を野洲・蒲生両郡に囲まれており、近江国で唯一、琵琶湖に面していない郡です。
 古代には紫香楽宮が設けられていたことで有名です。
 この絵図には、水口城を中心に郡内の村々の名称・村高、主要街道・一里塚などが描かれており、江戸時代の様子がよくわかる貴重な資料です。
 中央に描かれている水口城は、別名碧水城とも呼ばれ、その名のとおり、「堀の水が美しく、整然とした石垣は当時のまま」(『滋賀県百科事典』)残っており、現在、県の指定史跡になっています。寛永9年(1632年)、3代将軍徳川家光の上洛にあたり、御旅所(宿館)として築かれたのがはじまりです。そのとき作事奉行として築城の指揮にあたったのが、茶人・作庭家・書家としても著名な小堀遠州です。戦国時代が終わってからつくられたこともあって、規模は小さいですが、京都の二条城、伏見城を手掛けた遠州が築城しただけに、「御殿風の豪華な建築であった」(前掲書)。その後、天和2年(1682年)に加藤明友が入城し水口藩が成立しましたが、明治維新後の廃藩置県を経て、明治7年(1874年)には「公売に付されて、廃城となりました。」(『水口城』)
 しかし、それから約1世紀の歳月を経て、近年再評価の声が高まり、昭和47年1(1972年)に、城跡が県指定史跡となったことは上に述べたとおりです。平成3年(1991年)には、旧乾櫓を再移築して復元した水口城資料館がオープンし、堀・橋・虎口など、形態・位置は元の場所とは異なりますが、往時の姿を再現しており、かつての面影をいまに伝えます。

(引用・参考文献)
『滋賀県百科事典』 滋賀県百科事典刊行会編 大和書房 1984年 p.701
『水口城』 水口町立歴史民俗資料館編・刊 1990年 [p.4]
『安土城 彦根城 佐和山城 鎌刃城 長浜城 大津城 膳所城 水口城 坂本城』 学習研究社[編・刊] 2005年
https://www.biwako-visitors.jp/spot/detail/882 (水口城博物館 ※2018年11月31日現在)

資料種別 絵図
地域 甲賀地域 > 甲賀市
タイトル 甲賀郡絵図/内務部第6課地理掛書類編冊(近江国各郡町村絵図)
コウカグン エズ/ナイムブ ダイロッカ チリカカリ ショルイ ヘンサツ/オウミ ノ クニ カクグン チョウソン エズ
出版年(西暦) 1800
出版年(年代) 1800年頃
出版社 [出版社不明]
件名 郡図
グンズ 
ページ数 1枚 
大きさ 197×108cm 
コンテンツID 0500008 
書誌番号 0280412 
IIIF マニフェスト https://da.shiga-pref-library.jp/0500008/manifest