湖中産物図証/解説

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解説 『湖中産物図証』は、江戸時代に制作された、初めての琵琶湖の生物図鑑というべきものです。
彦根藩主井伊直中は、眼前に拡がる琵琶湖の生物調査を二度にわたり行いました。
 山本錫夫(せきふ)の記した奥書によれば、文化3年(1806年)に小林義兄が『湖魚考』を著し、その上で彦根藩主の命を受けた藤居重啓が『湖魚考』を参考にして『湖中産物図証』を制作したとあります。
 しかし、最近では藤居重啓が独自に編纂したとの見解もあります(「琵琶湖のテナガエビの由来に関する一考察」原田英司・西野麻知子共著、『滋賀県琵琶湖研究所所報』21 2004年)。
 藤居重啓(ふじい しげひろ(じゅうけい、とも)、生没年不詳)は、京都出身の本草学〔ほんぞうがく〕(中国の薬学・動植物学)の学者で、京都で小野蘭山に「本草学」を学んだといわれます。
 当館に所蔵されている『湖中産物図証』は、安政元年(1854年)に山本錫夫が模写した写本です。
 和装本で、琵琶湖(巻1〜5)、余呉湖(巻6)の全6巻からなり、琵琶湖の淡水魚約80種をはじめ、カニ・エビ・貝類などが収録されています。
 彩色した「魚」の精密画に続いて、琵琶湖周辺や近畿各地での呼び名、形態的な特徴・大きさのほか、琵琶湖での生息場所・漁獲場所・漁法などの解説が記されています。

p1 第一巻表紙 
資料種別 和書
地域 琵琶湖 > 琵琶湖
タイトル 湖中産物図証/解説
コチュウ サンブツ ズショウ/カイセツ
著者 藤居重啓編
フジイ,ジユウケイ
出版年(西暦) 1854
出版年(年代) 安政元年(1854)
出版社 山本錫夫
件名 魚類
ギョルイ 
コンテンツID 0500774 
書誌番号 1352738 
IIIF マニフェスト https://da.shiga-pref-library.jp/0500774/manifest