東海道五十三対

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翻刻 『東海道五十三対(とうかいどうごじゅうさんつい)』

 東海道を描いたシリーズで、弘化年間(1844~48)に刊行されました。当時の浮世絵界で人気のあった歌川派の三人の絵師、国貞(三代豊国)、国芳、広重の合作です。東海道をテーマにした風景画とは一味違う趣で、上部の「東海道五十三対」の表題の横には、団扇、扇面、円など輪郭の中に駅名や俳諧画面の由来が記されており、下部の画面には、それぞれの土地の伝説や著名な出来事が描かれています。

 大津は国芳の作品です。近松門左衛門の「傾城反魂香」の一場面が描かれています。浮世又平(通称吃又(どもまた))は大津絵を描いて暮らしを立てていましたが、師匠の土佐将監(とさのしょうげん)に認められないことに絶望し自害を決意します。そこで又平が手水鉢を石塔に定めて自画像を描くと、絵が石の向こうに抜けるという奇跡が起こる場面です。この技量が認められた又平は土佐光起(とさのみつおき)の名を授かります。
「傾城反魂香」で浮世又平は吃又として有名になりました。モデルは岩佐又兵衛説が根強いようですが、この人物が大津絵の祖とも言われたため、大津絵とともに「傾城反魂香」の一場面が描かれたのでしょう。

(『浮世絵事典』中巻 吉田暎ニ著 画文堂 1990年、『歌舞伎登場人物事典』 古井戸秀夫編 白水社 2006年)
解説 P1 大津・岩佐又兵衛
P2 草津・藤原藤太
P3 石部
P4 水口・大井子
P5 土山・田村将軍
資料種別 浮世絵
地域 滋賀県 > 滋賀県
タイトル 東海道五十三対
トウカイドウ ゴジュウサンツイ
著者 歌川国芳/画
ウタガワ クニヨシ
出版年(年代) [江戸]
形態 木版刷 37㎝×25㎝ 5枚
件名 宿場 東海道 岩佐又兵衛 伝説民話
シュクバ トウカイドウ イワサ マタベエ デンセツ ミンワ 
コンテンツID 1000007 
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